振舞いと顔かたちは布袋様の懐に違わず、豊かで優しいものです。
桜井家は根付制作を始めとした象牙彫刻師の家系です。桜井親方は根付のみを生業にするに留まらず、
工芸彫刻の世界にも技倆をお持ちです。現実に「彫刻」と名前の付く殆どの技術を兼備している職人です。
その実力を存分に発揮して頂ける象牙彫刻に挑戦して頂きました。
象牙の塊に晴れやかな布袋様の尊顔が彫り込まれ、この見事な造作ならば先代を超えるものと思われます。
円熟の技と言うに憚らない親方ならではの快作となりました。“自分が見ているから大丈夫。頑張んなさい”と
語りかけてくれている様な佇まいです。
布袋尊の大袋は懐の大きさも意味します。にこやかに微笑む温情ある姿の布袋様の心根は、
厭世や不遇や憤懣を受け入れるやさしさにあり、それを写しています。彫りに迷いは無く、
しっかりした表現力には職人の歴史を感じさせます。象牙をふんだんに使って特大に誂えるお薦めの一作です。制作にはお時間を頂く場合もございますので予めご了承ください。その他にご要望の彫刻など有りましたら別途ご連絡ください。
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7-15-SA
象牙彫刻・布袋尊
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