ハーレーのエンジンの大改造から始まる。手作りのカスタムハーレーである。ノウハウは試行錯誤の中から生まれるが、職人は技を鍛えながら精神も同時に鍛えていく。“本気で作ってきたから、本気で欲しがる人にしか作りたくない。”限られた範囲の改造に疑問を持った事がきっかけとなった。どうしても命が感じられず勢いも出ないと言う。同じ物は作らない。又、作れない。反骨精神から乗りやすいロングフォークを手掛けた。時代の中で注目される技を作る強みはあるものの、日本の古来の刀鍛冶職人達と、正に同じ道に立つ本物の職人である。他国を認めない本場アメリカのカスタムカーのショーに初出品でグランプリを獲得するなど、いくつかの賞を取る。ショーへの参加はビジネスでは無く自己の力量を試したかっただけと言う。日本人の職人らしい繊細且つ勢いが、忘れていたアメリカのハーレーの心を掴んだ。心は、ハーレーを乗る人達の姿勢にまで繋がっていく。
“今はハーレーの大きなミーティングが出来るようになった。だから乗り手も勝手は許されない。ハーレーに乗ることもルールを守ることも結局プライドの問題。歴史の重みも一
緒に乗るのだから、形だけのプライドで、お金だけ出して買えばすむ時代、俺はそれだけでは作らないね。”と語る。“車は走って当たり前だし、カスタムカーは、それだけの技と姿勢を持ってやらなきゃダメだ”とも語る。“将来は若い人を育てたい。俺一代で終わるのも癪だから、技は幾らでも教えてあげるし、その上で基本は守って、後はそいつ流にやればいい。”日本的で繊細な精神と新たな技を掴みながら、これからどのように走っていくの
か楽しみな親方である。
■ 歴史
ハーレーダビットソンは100年の歴史がありますが、私独自のスタイルでやっています。 |