職人の住む町
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日本の和紙の中で、最も特殊性を持つ紙。製法はあくまでも自然にこだわり、豪雪地帯ならではのもの、柔らかな白さは日焼けしにくい性質を持つと云い”凍皮” ”雪ざらし”と言う製法が特徴。夜間、水を付けた原皮を外に出して凍らせ、水に付けて表皮を剥いだ後、再び外に出して雪にまぶし、雪が溶けると又まぶすを繰り返す。太陽と雪で自然にさらしていく。これを一週間ほど続ける。良質の楮100%を原料に使うことも素直に製品に現れてくる。従って漂白するソーダー量などが少量で済むため、時間経過での紙質や色の変化を少なくし、他の和紙との差となって現れてくる。通気性、通光性、強さ、白さなどの特徴も豪雪地帯ゆえに生まれた昔からの製法であり、これらの味を引き出す為に更に厚さ、硬さなどに細心の注意をはらう。
ベテランの内山紙師でも、一日に200枚程度しか出来ないという。
製品の大半が特徴である通光性を活かした障子紙、提灯紙でありまた、筆墨紙などもある。
類似品が出回る為注意してほしいと言う。見分け方は梳目が3cm間隔で透かしのように見える事。手漉き紙特有の継ぎ目がある事に注意すればまず大丈夫と言う。

■ 歴史
寛文元年(1661年)信濃国高井郡の萩原喜右エ門と云う人が美濃(岐阜県)から製法を習得して帰り自家で漉いたのが始まりとされている。


  18歳より始め、冬期の副業として行う事が内山紙の習慣です。これを50年ほど続けて来ました。
  個人的な特徴ではなく内山紙としての特徴は、他の手漉き和紙にない特徴に溢れています。豪雪を利用した製法は強靭な紙を生み出し、他の紙と比較すると、例えば引裂強さは、一般の障子紙の場合、縦99.3gに対し内山紙218g、横76.8gに対し内山紙340g。
通気性は一般の紙が13秒に対し、内山紙4.4秒という素晴しさです。それと白さも雪ざらしによるもので、薬剤を使い、もっと白くすることも可能ですが使いません。従って日灼けなど時間による変色が少ないなどにそれが現れます。明かり用などにも使われているのはその特徴を活かしていると言えます。
 
  全ての内山紙師は父祖伝来の誇りを持って代々受け継がれています。内山ならではの紙を通して心の安らぎ柔らかな白の輝きなどを与えられる誇りを噛み締めながら作っています。
  幼い頃から親の背中を見て育ってきました。厳しさも喜びも自然の中で共に生活していく事が、内山流の教育であり、その中から自覚してくれればと考えています。

 

職人名 中沢忠夫(なかざわ・ただお)
雅号又は銘  
生年月日 昭和6年9月30日
職種(種) 内山紙
作品(アイテム) 障子紙、提灯紙、筆墨紙
技数(積)
弟子入りしてから手伝えるような状態になるまでの期間
雪さらしなど家族総出で行う、手間のかかる仕事が多い為、即手伝う事は可能。
完全に紙製法を熟知する難しさもあるが、厳冬期の野外作業、手の切れるような凍り水の作業など肉体面、精神面の厳しさに耐え抜いていくことが難しい。
技の種類や工程
11月中旬楮採取、蒸煮、皮剥ぎ、天日乾燥、水付けから凍皮3回、皮かき、雪さらし一週間、白皮乾燥、水煮、煮熟、灰汁抜き、漂白、ふしひろい、打解、玉作り、梳舟撹拌、梳き、圧搾、板干し又は鉄板干し乾燥、選別、裁断、紙継ぎ、製品
現在の立場(役) 生涯現役
次代 他  

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