職人の住む町
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華道、盆栽、園芸、植木などの世界では“国治”の銘は、抜きん出ており、人気実力共に優れた名工の証である。川澄氏は使っている現場にしばしば出向き見てより優れた型に改良したりと、今でも父国治から続く姿勢は揺るぐことがない。親子2代続く名工の姿勢を見る。現在は国治の切れ味はそのままにお買い求めやすい鋏なども作ったり、使い込まれて研ぎ直しに戻ってきた鋏を手を抜かず、買った時と同じ切れ味に復活させて、愛用者に戻したりと忙しい。
家に飾ってあったすり減った鋏は、ある植木職人が生涯かけて使っていた物という。その息子から父の形見で減っていて使いにくいとのことで頼まれ修理に戻ってきたもの。しかし、川澄師はこれを飾っておきたく、良ければ新品と交換してほしいと頼み快く預けて頂いた鋏であった。これほどすり減って変型しも今でもきれると言う。植木職人に聞いたところ国治の鋏の先は指先で新芽の一つを摘みとるのと似て、刃先に目が付いている感じとのことであった。

  父に弟子入りというより、手伝わされたのは中学に上がった頃からです。本格的には大学を出てからですが始めは毎年正月の2日の仕事始めに一丁の鋏を必ず作らされました。前の年に作ったものと比べ色々アドバイスがあります。普段はこれと言って厳しい事は有りませんでしたが、全く教えてはくれません常に自分で考えろと言う感じでした。
  切れるのは当たり前です。刃先が指先になる感覚、使う人の神経が届く鋏である事。
プロの鋏ですから使っていて疲れない事。そして華道など美を追求する道具で形が美しいこと。簡略化し鋏の本質を追求することが鋏に美しさをもたらせます。加えて何よりの特徴はお客さんに良く言われますが、切る音が良いといわれます。これは鋏の絶妙のバランスから生まれます。
 
  一心不乱などは好きな言葉です。一生懸命に何でもやる事です。きちっとするべき事はきっちりやるということが信念です。それを守ればあとは楽しくやれるはずです。
  向学心が大切です。突き進む事に加え、良い物を見て学び、良い物を作ることが大切です。

 

職人名 川澄巌(かわすみ・いわお)
雅号又は銘 国治(くにはる)
生年月日 昭和7年4月19日
職種(種) 鋏鍛冶
作品(アイテム) 花鋏、盆栽、植木、剪定
技数(積)
弟子入りしてから手伝えるような状態になるまでの期間
3〜5年ですが人によって異なります。大切なのはその人のやる気とセンスで駄目な人は何十年やっても駄目です。材質から製作まで全て覚えて、さらに経験が必要ですから結局10年はかかります。
技の種類や工程
基本的な作り方は他の鋏と同様です。
現在の立場(役) 現役
次代 他  
   


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