職人の住む町
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職人は技の背景にあるものを俯瞰してみる力が希薄であり、自ら文化の偉大な後継者でありながら学問に対して腰を引いてしまっていると語る。各時代の和釘や古代の大工道具を再現したことでも有名。
また、包丁等鉄の道具は鍛造が基本で、鎚目の残る真っ黒な地金に鋼を鍛接した昔ながらの姿を重視をしている。黒いのは酸化皮膜で昔の釘が長持ちするのと同じ理屈。従ってこれを変える気持ちはない。和包丁は錆ではく離していくことで刃先のギザギザが生まれ切れ味が持続しやすい。新陳代謝が行われていくという利点もある。
昔の鉄という字は鐵と書く、「金の王なる哉」ということで鉄は素材の王様であると語る。白鷹氏が垣間見せる知性溢れる古武士然とした風ぼうと人柄は、極めた人だけが持ち得る姿といえる。日本の鍛冶技を大切にする氏は“日本の最高の鍛造技術は日本刀である”とも言う。工芸美術品としての実力は認めるが、刀は芸術品には成り得ないと語る。無理のない姿勢に何故か刀剣の吉原氏を思い浮かべていた。

  9歳の頃より父の向槌(先手)を始める。炭割り、ヤスリ掛け等を手伝う。私は兄の仕事を見て鍛冶屋が嫌で東京に行きましたが、働いた所は有名な刃物店でした。各地の鍛冶屋の仕事やその人なりに触れ鉄を見直し古代の建築とそれを建立する道具に興味を持ち、兄興光の病死を機に帰郷し興光を継ぎ、家業に復帰ました。復元した大工道具や和釘は、法隆寺や薬師寺(6990本を一人で鍛える。)の造営に携わりました。
  材質の適材、適所。失われようとする鍛冶(鍛造)技術を絶やさない為、出来る限り商品全体をハンマーワークで片付ける。
 
  注文主の言葉の奥にあるものを感知すること。
   

 

職人名 白鷹幸伯(しらたか・ゆきのり)
白鷹興光(しらたか・おきみつ)
雅号又は銘  
生年月日 昭和10年8月6日
職種(種) 野鍛冶
作品(アイテム) 文化財修復用和釘、黒打刃物、鉋、古代道具復元(博物館向)
技数(積)
弟子入りしてから手伝えるような状態になるまでの期間
5年、鍛打ち、加熱、研摩
技の種類や工程
鉄、ハガネー加熱ーわかしづけー鍛造ー造型ー熱処理ー研摩ー仕上げ
現在の立場(役)  
次代 他  


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