ヤスリの語源は鏃(やじり)を擦る、又は弥磨(いやすり)からヤスリになったとわれている。ヤスリの95%は広島県呉市で作られる。江戸ヤスリの製造量は、1%以下であり、その中のわずかな特注品分野において日本一の技を見せるのが親方である。その細工は平面、凸面、凹面、波面、などに実に様々なヤスリを打ち出す。全国各地からそれぞれの細工に適した形のヤスリの注文が舞い込んでくる。刀鍛冶など鍛冶屋用の各種ヤスリ、刀の鞘を削る長い柄がついたやすり、琵琶、尺八、笛、三味線などの楽器用の各種ヤスリ、光学器械用のヤスリ、医学用は、外科用、歯科用など。象牙用、鼈甲用、鉄砲用、靴製造用など様々なヤスリを作り、海外からも発注が来る。又、わざと引っ掻いたような不規則な削り面を要求するヤスリなどもある。卓越した技に全く競争相手がいなくなったヤスリの名人である。職人の中にはヤスリがなくて困っている人もいるが深沢氏にかかれば全て解決するだろう。多くの職人が深沢氏を紹介してくれるのも納得した。
■ 歴史
正倉院からも宝物の中にある。 |