若手の中でも抜きん出た天才、刀を作る為に生まれた刀匠である。それにもまして環境が凄い、修行時代は、同じ仕事場に刀剣界の双璧、吉原義人、武蔵住国家の両刀匠がおり、内に秘めた凄まじい精神と立ち向かう姿勢を目の当たりにし、学んだ事は事実であろう。
しかし、常に偉大な父と叔父がいることのプレッシャーは相当のものであったことは想像に難くない。それをはね除け自己の道を切り開き、無鑑査になり、父と叔父と同じ土俵に立った現在、義一刀匠自身の心の中に、自己の自由な挑戦の可能性が感じられる。
また、二人の師匠の姿勢ともオーバーラップし、挑戦する吉原家の血を大きな期待を持って見つめていきたい。 |