仕事をしている所を見せて頂いた。彫刻刀がかなりのスピードで心地よく動く、下絵もなしでどんどん削っていく。象牙の固まりから手の中に存在感が生まれてくる。
根付けとは作家の洒落ッ気と粋が渾然一体 となることで生まれてくる世界で、何とも不思議な物である。その都度の挑戦から同じものは彫らない人が多いと言う。根付けの素晴しさにはまってしまう人がかなりいると聞いて当然であると思った。
彫刻の技のレベルも他の彫刻と比べて高い気がする。 象牙彫刻という一般にはあまり見る事のない職業でありながらかなりの数の職人さんがいる。外国での人気は凄いと言う。浅草の古物商などではブームから中国産の根付けも売られている。話も面白く象牙彫刻の重鎮広晴氏の仕事場にかなりながくお邪魔していた。
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