職人の住む町
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創業は安政2年香りの暖簾を守り、更に独自の“にほひ袋”の伝統を進化させていった。
近年皇室の方が見えたこともあるが、原料である香木が高価な為、元々、限られた人のものであったようである。香りの文化は6世紀頃、仏教の伝来と共に伝えられ、平安貴族の暮らしの中で洗練されていったと言う。始めは火を使う線香が主であった。今の香りは自然の香りそのままを楽しむ。
香りの習慣は西洋にもあるが、ほとんど油性のもの。石黒氏か扱うものは、伝統の天然香木、白檀、肉桂、丁字、龍脳、そして麝香などを様々な配合で混合している。香りの文化が再燃している今日、自然香の安らぎと優しさでストレスを解消するなど非常に人気が高い。昔は虫除けとして箪笥に入れ、同時に衣装にも香りを含ませ楽しんだ。昨今は更に“にほひ袋”も従来の巾着袋型から趣向を凝らし、現代にもマッチした形となり、純和風なものなど飾り物としての創作品も多く、高級なものも全て手作りで作っている。ざっと数えても100種は揃っている。
石黒氏は使っていただける人達の為に、しっかりやらなければといった意識を持って造り続けてきたが、最近にやっと自信が持てるようになってきたという。

  安政2年、現在5代目24歳の時、家業を継いだ。初期は線香を作っていた。現在は日本で唯一のにほひ袋の製作者である。
  和装の必需品としての需要が低迷する中、にほひ袋そのものに付加価値を持たせ、高級なものまで作りたいといった発想から形にこだわり、常識を打ち破ったことが大きな特徴です。技自体の難しさより、お客さまの好みの香り作りと、袋のデザインにこだわっています。これらはお客様からのアドバイスも大きなヒントとなり、スタッフ全員でのアイディア出しなどで常に考え続けています。袋の素材も大切な要素です。
 
  お客様の気持ちを大切にする事と、共に働く者達の自主性を大切にすることです。
  次代への要望と言う事より、今後の取り組みが大切です。重視する伝統と共に、時代の流れを敏感に感じ取り、常に新しさと心のある作品を作っていきたい。それは“にほひ袋”の唯一の立場として、京都らしいきめ細やかなものでありたいと思っています。

 

職人名 石黒道生(しいぐろ みちお)
雅号又は銘  
生年月日 昭和24年2月3日
職種(種) にほひ袋
作品(アイテム) にほひ袋 花、雛人形、動物、多種
技数(積)
次代、素人から始めて手伝えるような状態になるまでの期間
西陣織のほつれ易い布地で、細工物を仕立てることや新製品の企画開発には全力投球で取り組んでいます。
技の種類や工程
金らんやちりめんで出来た多種の袋に香を詰める。その際、口にひだをつけてたたんで紐を結ぶ。
現在の立場(役) 現役
次代 他  


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