職人の住む町
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一枚の金属の板(銀版、銅板)が、打ち延ばされ、縮められて形をなす。リズミカルな音が響き、職人の腕は常に不思議で驚嘆する。銀製の茶釜はあられ(表面にある突起のこと)をひとつづつ打ち出して約一ヵ月を要する。やかんは5日である。
亡くなった師匠は父の金次郎で昔気質である。自分なりの考えで作ってみると親方からボロボロに言われよく衝突したという。おやじに渋々認めさせた菱形のあられも今は師の特徴である。金物は直し直し使えるので、修理にきた物がおやじの作った湯沸かしだったりするとやっぱりうれしいと語る。

  昭和13年浅草生れ。子供の頃から父の槌音を聞きながら育つ。高校を卒業後、父、長沢金次郎に師事。昔気質の職人肌の父で、新しいことをすると即難色を示し、おこられたものです。今は感謝しています。
  茶釜などのあられが通常は玉あられであるのに対し、シャープな菱あられ、角形にうつ特色あるもの、オリジナルとしてファンも多い。
武久師が父におこられながらも完成し、お得意様に気に入れられたことで日の目を見た。
※あられ---茶釜などの表面に打ち出す突起のこと。武久師は多種のあられがあり、特に亀甲打出しは他に類を見ない技を見せる。
 
  "やっぱり武久"気に入られる品物。
※一度使ったら、次も又ほしくなる品物
  手作りしか出来ない物。永久にある事。これを忘れない様に。

 

職人名 長沢武久(ながさわ・たけひさ)
雅号又は銘 武久(タケヒサ)
生年月日 昭和13年5月16日
職種(種) 鍛金
作品(アイテム) 急須、茶筒、茶入、花器など
やかん(銅器はお茶がうまい。火当りが柔らかい。)
技数(積)
弟子入りしてから手伝えるような状態になるまでの期間
10年はかかります。
技の種類や工程
打つ(あられ打ち、文様打出し)
切る(切まわし、糸のこ切り)
削る
曲げる
色付(煮込み着色、金ふるび、銀ふるび、等)
仕上げ
現在の立場(役) 生涯現役
次代 他 長沢利久
   


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