職人の住む町
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野沢氏は父に師事した。水戸彫りと言われる技法は片刃彫りが特徴で、師匠である父は最後の名工と言われ、さらに独自の技法を加えていた。水戸は刀の鍔を彫る職人が多くいたと言う。野沢氏からしきりに師匠の話が出てくる時、師への尊敬の念と名工の父を持つ誇りを感じられた。
彫金は飾りの彫であり、一つの作品として表現する性質はあるものの作品としては需要が弱く、結局、部分職人的な立場になっていったことも問題だった。又昨今はひとつ作ると金型を取られて同じ物が幾つも出来てしまう時代でもあり、その為に型を作りにくい片切彫に蹴上彫などを加え父の代からやっているとの事。また彫金を必要とする新たな金物の開発や作品が出てこないことも深刻な問題であり。海外から安い物が出ていることも衰退に拍車を駆けている。
彫金師か極端に少なくなった今日、何とか盛り立てたいとは思うが名工会でもアイディアを募集し彫金の技を日常的な中で活かしていく方法があればと感じている。

  父に師事。7人兄弟、15才で弟子入り、昼は修業というより雑用、夜に練習します。真直ぐな線は1年程度では仲々彫れません。同じ深さと角度で毛のような線から抑揚のある線まで様々な表現を必要とします。タガネで打ち込みから払いまで筆で字を書くように練習します。又、一日中座っているのも始めは大変でかなり苦痛です。
  難しさよりも今の時代にどうアピールさせられるのかこれが課題です。その他打つ時の土台に松脂と砥の粉、胡麻油等を混ぜて固定しますが季節によって配合などを変えていきます。
 
  職人として頂ける依頼を常に受けられる技を持つことが理想。
  経験も大切であるがその人の持って生まれた資質が重要です。こうした人がおごることなく謙虚に修業すればより素晴しいものが作れます。

 

職人名 野沢忠義(のざわ ただよし)
雅号又は銘  
生年月日 昭和11年1月20日
職種(種) 彫金
作品(アイテム)  
技数(積)
次代、素人から始めて手伝えるような状態になるまでの期間
10年と言いますが程度もあり、質の良い人であれば3年ぐらいから手伝えるとは思います。
技の種類や工程
毛彫、片切彫、甲鋤(こうすき・肉彫で曲面に凹ます)、蹴彫、透彫、銷し(水銀と金や銀の個溶体アマルガムを個着させる技法を銷しといい。沈金や象嵌も此の技法である。)その他、線象嵌、平象嵌、切り嵌め、布目、銀鑞流し、鋤彫、肉合い彫、肉象嵌、ぼか出し、打出しなどがあリ、基本技は水戸彫として体得した。
現在の立場(役) 生涯現役
次代 他  


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