バードカービィングとは、 鳥を彫り出して彩色する彫刻。アメリカが生んだ数少ないデコイと呼ばれている彫刻である。アメリカでの大会は盛大なものでトップランクの作家は正にゴルファーのごとくに名声を博すと言われている。
日本人の作家は数少なく全米でトップランクに上がる事などほとんど不可能に近い。
内山氏は唯一世界大会でトップランキングに飛出してくる凄い作家である。『只美しく、だけではだめ。厳しい自然の中で生きる鳥の一瞬の姿を捕らえて表現しなければ』と向う姿勢を語る。
現在、はく製の変わりに多くの自然博物館から依頼が入り、自然の生態の通りにセットされ納められている。こんなエピソードがある。南大平洋のアホウドリが毛の乱獲から激減しており、安全な場所へ移す計画があり、それに一役内山氏が買った。2体のデコイを託してセットしたところデコイにアホウドリが近づき毛繕いをはじめたと言う報告が入ったという。左甚五郎のような人である。
狩猟のデコイから始まったバードカービィングは環境保護や天然記念物そしてヤンバルクイナに至るまで自然野鳥保護の活動に役立っている。世界的なバードカービィングの名手の作品を目の前に置き、近付いて目を凝らして見た。羽の膨らみや暖かさまでが伝わってきて、写生美の極致 の凄さに驚嘆する。しかも日本の技の最後とも言える日本古来の木象嵌の名手、第一人者でもある。
日本でのバードカービングの道を切り開く。(道具、材料、技法など)バードカービングの可能性を探る(博物館の展示、デコイによる保護活動ハンドパペットによる人工飼育、視覚)
博物館に剥製の代りとして展示する為に、あくまでも写実を追求する鳥の持つ羽毛の柔らかさを木という素材で表現することは非常に困難である。
仕事は丁寧に、確実に。
新しい職種なので、バードカービングの可能性を幅広く探究してほしい。
職人名
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内山春雄(うちやま はるお)
雅号又は銘
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生年月日
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昭和25年2月4日
職種(種)
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バードカービング(野鳥彫刻)
作品(アイテム)
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技数(積)
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次代、素人から始めて手伝えるような状態になるまでの期間
現在は、アメリカ南部産のチュペロを使用している。本物そっくりに仕上げる必要上、野生の鳥の生態と解剖学的な知識が必要である。鳥以外の生息環境を表現する為には、樹脂や金属の加工技術も必要となる。
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技の種類や工程
木彫の後、彩色。技法としては、ノミなどを使う他、小型グラインダーを使用して細密な彫を施す。木そのものの特徴を生かしたナチュラルフィニッシュもある。
現在の立場(役)
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現役
次代 他
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