1818年、車の付いた箪笥から始まった。豪華で木目を活かした茶褐色の渋い色調である。いずれも表面に贅をつくし、上質の欅(けやき)を使い、中は桐を使う。
船箪笥や仙台箪笥の飾り金具の良さを取り入れ、今の時代に合った豪華な作りとなっている。岩谷堂箪笥の金具は本来鋳物で優れた南部鉄器の流れを継いでいる。したがって分業で行われている。本来の金具は、極めて民芸調のあくの強いものである。これはこれで素晴しい。
及川氏は岩谷堂箪笥が作られた歴史から、仙台箪笥の流れ同様に飾り金具を板から精巧な絵柄を打出している。これらの木地から金具、塗りまでの作業全体を自ら作り納得出来る岩谷堂箪笥を考え、一貫して行なっている。
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