職人の住む町
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フランスの椅子に魅せられた職人である。日本一と言っても過言ではない。素晴しい椅子を作る。フランスのロココ時代の椅子の専門家であるが、良い物を作る為に全て徹底している。フレームはフランスからの輸入であるが、日本の空気で呼吸させなければ後々に狂いが生じる。これは何も海外という事では無く日本においても同様である。例えば、北海道のものを南に持ってくれば狂いやすい。従って、フランスから椅子そのものを輸入て売る等は考えられないと言う。生地に至ってはその時代の織物とデザインにこだわり、歴史の有る古いメーカーのビンテージ物を現地まで行き仕入れる。椅子張りはフランスの職人以上の器用さで200数十年の伝統の手法を駆使する。ビンテージな椅子などの復元や修理、張り替え等も専門である。
皇族のお住まいなどにも出向き完璧に再現する。新品の椅子のコンディションは2〜3年後の座り心地をポイントに入れ、それを持続させることを考える。現在30年前の椅子の張り替えが始まっていると言う。また和の重要性にも目を向け、研修に来た一級建築士などに障子や欄間などしっかりした和の建築を設計段階で考えたことが有るかなど、問い詰める厳しい一面も持っている。

■ 歴史
フランス、ルイ王朝時代。ロココの椅子製作、技術、復元。


  昭和28年より5年間弟子入り修行。後フリー職人。芸能人、有名人や日本の中の各国大使館の椅子、米軍将校の椅子を作っていた。昭和39年独立、営業開始。昭和46年、約20ヵ国ヨーロッパ主にフランスの職人と交流。本枠椅子に必要な材料等輸入している。ロココ様式の技法による椅子制作。技能検定を通じ、全国の椅子職人に技術指導している。
  マイチェアー、自分だけの専用椅子50年〜100年使える椅子。目的によって使い分ける。
身長、体重等個人専用のものを創る。
 
  何時の時代になっても、愛着があり、家族の一員としてその家の歴史を伝え、残っていく椅子を作る。いつの時代でも新しさが失われないものを作り続けたい。職人としての肩書きや名声は不要。
  昔は自分では使わなかった、これからは作る者がまず本物を自分で使って見せること。人、工、身共に豊かになる。

 

職人名 上柳博美(かみやなぎ・ひろみ)
雅号又は銘 (株)上柳製作所
生年月日 昭和12年7月30日
職種(種) 椅子
作品(アイテム) 椅子 他
技数(積)
弟子入りしてから手伝えるような状態になるまでの期間
約10年。目的によって椅子はそれぞれ違う、また腰掛ける人によって個人差がある。レストラン、ホテル、事務用、家庭用、休息、食事、応接、会議、喫茶店、そば屋、等々。ウレタンフォームの出現により、高度な技術を必要としなくなった椅子が市場を占めている現在、手作りの天然素材の材料を直輸入し、使っているのは日本では私だけと思う。
技の種類や工程
コルク、スプリング、椰子ファイバー、馬毛等天然素材を使い全て手作りの伝統的技法によって産み出された椅子は、半永久的に型くずれなくクッション性も変らない。
また、長時間腰掛けていても疲れない、掛け心地良い椅子となる。
現在の立場(役) 生涯現役、指導的活動
次代 他  


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