職人の住む町
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一年待っても客が喜ぶという鞄がある。明治34年、大阪で最も歴史があり英国式の製法を頑なに守る現在3代目である。無駄の無い手縫いの製法はその品質と職人気質の面から、業者から日本のルイビトンと呼ばれている。とにかく丈夫であり、30年は使えるという。修理に出して丁寧に使えば一生物と言う。昭和初期に作ったハンドバックを復刻した。当時の職人の北村氏の作である。その北村氏が娘の為に作ったハンドバック。70年以上たった今も型くずれもせずに使っている。ボストンバックから小物まで皮からパーツ取りまでを厳選し、目打ちで穴をあけ手で縫い合わせていく。4本よりをかけた麻糸に其のつど鑞を引きながら裏表両方から糸を通し締めながら縫う。この時の糸にかける締めを一定にする。従ってほどけにくく縫い直しもきく。鞄は3年ほどたってからが使い心地も良くなる。金具などが悪くなればこれも交換可能である。何年経とうが修理してくれる。良い製品は作り手半分、使い手半分でいい味が出来て来ると言う。現在も注文して半年から一年待たなければならないが、それを承知の顧客である。鞄は無駄がなく風格、品格が備わっている。職人の技の歴史と誇りが伝わってくる。

  関西大学商学部からオートバックス本部へ就職。退職後、馬場万へ戻って父に師事。
  私共の製作している品は、タンニンなめし100%の素材を使い、完全手縫仕立てで作っております。現在、自然志向を考えタンニンなめしの革を歌い文句にして、実は科学的処理をしている素材を使った物や、手縫は一部分でミシンで作っていても、手縫だとか手作りだと言っている鞄屋がありますが、私共は頑固に昔通りに製作しております。
 
  自分をごまかすな。(客はごまかせるが、それをしないと言うこと。)
  まだまだ私も自分に要望がいっばいで、そこまで考えてまへん。

 

職人名 秋山哲夫(あきやま てつお)
職人区分 名匠(特技)
雅号又は銘 馬場万(ばばまん)
生年月日 昭和29年11月26日
職種(種) 手縫い鞄
作品(アイテム) 本革鞄、小物 他
技数(積)
弟子入りしてから手伝えるような状態になるまでの期間
技の種類や工程
生地の選択ム裁断ム目打ちー縫いー仕上げなど
現在の立場(役) 現役
次代 他  


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