職人の住む町
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アウトドアのシューズでは有名な森本氏であるが単に靴を作っているだけなのでと謙遜する。山男の雰囲気を全身からオーラのように発散する。植村直巳やヒマラヤ遠征隊などの靴を作っていたことでも有名である。今もそうした注文が来る。靴のサイズは好みと言う。同じサイズでも出来た靴が人によって3cmほど違う。緩い好み、きつ好み、そして今まで履いていた靴の感じが足に残っているなどがあると言う。従って靴作りで大切なことは、お客さんとのコミュニケーションである。森本氏の得意分野は、何と言っても登山靴とウオーキングシューズ。至る所に研究の成せる技が活きる。機能性を追求するとシンプルになる。これは全ての職人が語る名文句といえるが正にそれである。

  父は何の靴でも作れる職人。子供の頃から弟と手伝わされ、二人とも無理やり靴屋にされてしまいました。(笑い)父はとても怖い人でした。仕事で指が割れても休ませて貰えません。私が始めた当時は、登山用の安くて良い靴が有りませんでした。従って色々な靴を改良したりと、あの頃を振返ると勉強になりました。
  お客さんとの会話から靴を作ります。外反拇指の人にも合わせますので無理が無く、次第に治って来たなど喜ばれています。作る場合も足型のシートを作り、常にお客さんの情報を加えていきます。改良はこの情報から行われます。常にその時々のベストを尽くし、たものが作品となり、次回にはさらにそれに合わせてベストを目指すといった感じです。中敷も足に合わせて作りますが、これは作った靴の付属品としての考えであり実費です。中敷も靴屋の商売として、法外な値段をつけているところもありますがそれは考えません。
 
  “履く人は一人”何千足、何万足作ってもひとつひとつ手を抜かないで作る、それ以外ありません。
  自分で切り開いていく道ですが、弟子には全ての工程が出来るように修業させていきます。
しかし覚えてくると、一例ですがお客様の要望を聞いて、採寸するなど、ひとりひとりのカルテをとるような医者的感覚があります。そこに妙なおごりが出て来たりします。どんな場合でも天狗になる事が最も職人としてマイナスです。

 

職人名 森本勇夫(もりもと いさお)
雅号又は銘  
生年月日 昭和17年10月23日
職種(種) 登山靴
作品(アイテム) 登山靴
技数(積)
次代、素人から始めて手伝えるような状態になるまでの期間
これは本人次第です。
材質から加工まで様々な技があります。常に研究する気持ちが大切です。例えば靴の内側の素材をゴアテックスにしたのはうちが日本では最初です。水に強い素材です。皮や底の硬さなども目的によって変えていきます。苛酷に使うシューズですから学ぶ事は常に続きます。
技の種類や工程
靴は底と上の部分に大きく別れる。デリケートな足の感覚と靴の機能そして耐久性、そして材質などを考えると大変な量となります。皮は国産では子牛の皮が無い為海外のものを捜します。始めた当初は日本には山の靴が無く、作るのに大変苦労しました。ともかく良い靴を作ろうと頑張っても様々な条件もあり、神ではないわけですら100%は出来ません。その為に常に努力をしています。
現在の立場(役) 生涯現役
次代 他  


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