最古のいぶし瓦製法で作る最後の職人【黒七輪】
焼き肉など奥まで“遠赤外線”が入り、同じ材料とは思えない上手さである。 !
七輪の語源は炭が七厘の量で間に合うと言う説があります。
最近、家庭で使われる事の他に、バーベキューや、災害対策等の準備にと幅が広がり人気があります。
三州(三河)の黒七輪は“いぶし瓦”と同じ製法であり、今では日本で唯一の生産地です。
三河の地では300年前からいぶし瓦(炭素膜処理)の製造を始めています。
現在の三大瓦生産地は当地の三州(愛知県東部地域・三河)、そして石州(島根県西武地域・石見)、淡路(兵庫県淡路島・西淡)になります。瓦の歴史は今から2800年ほど前ですが、日本には1400年前に伝来します。現在もこの当時の古い瓦が日本の寺社に残っています。実に丈夫です。江戸末期、元禄の頃にやっと民家の屋根に瓦の使用許可が出ます。理由は火災等の関係です。普及させる為に大岡越前守が活躍したそうです。生産地は、北前船など海路を使い一気に全国各地及び江戸に販路を広げます。
このいぶし瓦の製法で作る七輪を伝承する最後の貴重な職人が杉浦親方です。土地の職人の自慢は、日本で唯一、戸口(風窓の切り欠き)製作を粘土で作ることと、七輪の内側に珪藻土の中子をはめ込んだ二重構造である事、そして三河の土は丈夫であり金の補強ベルトが不要であると言うことです。
加えて瓦のように黒く光る肌合いは実に美しいものです。
※ 中子は能登の土で作ります。粘土と混じった珪藻土は七輪を作る場合、最も優れた材質です。
珪藻土とは藻類の化石で、海水産と淡水産に分かれます。全国に分布していますが九州の物が最高と言われていますが、七輪作りには向いていません。電子顕微鏡で珪藻土を覗くと、まさに藻殻は見あきない
万華鏡のように、一つ一つの形が美しく実に不思議なものです。 |