|
|
|
|
昔は屋形船や木場の丸太を引く船等を作っていました。父に師事したが、佐野の造船技術を活かす為に、これからは学校へ行って洋船の技術を学ぶ事が必要であるとのことから3兄弟とも専門知識を学んでいます。
子供の頃から船を作るのを見て育ち、手伝って来たことから何の迷いもなく選んだ道です。
本格的に始めてみて分った事ですが和船の技術は素晴しく、海外のボルト締めの船とは全く違っています。その技術に外国の関係者は一様に驚きます。
アメリカの造船学校で学んだ日本人が、その学校の校長に「何故、佐野に行かないのか」と言われ、訪ねてきたことがあります。また、日本にいるよりアメリカで活動しないかと誘われたこともあります。しかし和船の技術を活かして造る伝統は守っていくべきと考えていますし、海外のボルト締めのボートとは根本から違うものと思っています。 |
|
|
|
|
|
私達の船の大きな特徴は、9代続いく和船からの伝統です。素晴しい和船の技術を随所に活かしている事です。
例えば、洋船には使わない技ですが、和船には水洩れ対策に詰め物などを全く使わずに水を止める技術があります。小口を突き合わせた間に鋸を入れる一見無駄の様な技の使い方ですが、その後出来た板を突き合わせたままパッキンも入れずに水を止めるといった技です。今まで海外の造船を研究してきていますが、日本独自の技といえます。あらゆる力が加わる為の木組みの技も和船独自のもので、指物師が行う技とも多少違った技を使っています。
正に江戸の伝統の技が活きています。細かい部分にも神経を使っている点も特徴です。板の使い方も、木の癖と性質をしっかり読み取り使います。波の強い力、ローリング、ピッチング、そして捻りなどが船体に加わることを常に考え、また、大きなバラストやエンジンを取り付けて揺れる訳です。船の不調は命にも関わる問題です。
又、一生に何隻作れるのかを考える時、一人前になってから25隻作れればといったことになり、たとえ構造に関りのない部分であっても、手を抜いて造るということは考えられないことです。多分手を抜いたら一生悔いを残し続けると思います。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
9代続いた佐野の船を兄弟揃って守ることは大変なことです。基本的には手を絶対に抜かずに、佐野の船はいつまでも最高であると言われ続けられるように頑張ることです。 |
|
|
|
|
|
情熱を持って常にやることが大切です。 |