藤布は古事記の応神記にハルヤマノカスミオトコの身に付けた藤の衣から、美しい花が咲きイズシオトメの心を射止めた話や、万葉集にも藤衣を詠んだ歌が残されていると言う。藤蔓の繊維が原料。近代になっては単に繊維が強いといった理由から醤油の搾り布、蒸し布、畳の縁などに使われていた。織る時期は1月から2月の雪の頃で、繊維をとる皮剥ぎは春の彼岸から秋彼岸の間。表皮を取った白い甘皮の繊維を乾かし、10月頃に水に浸し灰アクで約一日煮込むと柔らかくなり、これを竹のコウバシでしごき日陰干し、米糠と一緒に半日煮て又 コウバシでしごく、しなやかで強く長い繊維だけを残す。編む時は一度米糊を使い布に張りを付けて使う。古代布と言われているものには、藤布の他、しな布、楮布、葛布、麻布、イラクサ布、カラムシ布、ぜんまい紬織、紙布、琴糸織、裂織、つづれ織、古典刺子などがある。
藤布製造に関わり、30年が経った今でも自分の納得する物の出来ない悔しさと楽しさを味わっております。
日本にしかない丈夫で美しい織物(藤布)を多くの方に知って頂き、使用して頂きたく思っております。
泳ぎもせず、漕ぎもしないで一生を終わりたくない。
上記の言葉を贈りたい。
職人名
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加畑兼四郎(かはた・けんしろう)
雅号又は銘
:
生年月日
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昭和19年8月30日
職種(種)
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丹後藤布
作品(アイテム)
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タペストリー、草履、帽子、のれん、各種小物
技数(積)
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弟子入りしてから手伝えるような状態になるまでの期間
1〜2年
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技の種類や工程
9〜10工程 採取 - 藤へぎ - 灰汁炊き - 藤こぎ - のし入れ - 藤うみ - 撚りかけ - 枠取り - 一機織り
現在の立場(役)
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引退
次代 他
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