職人の住む町
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友禅師とは、色を的確に挿していく技であり手描き友禅とは絵から全ての作業を行う職人を言う。京都の名匠大塚勇三郎のお弟子であった紺屋の武田耕人は、古色再現の技に全てを注いだ人で“色は人なり”と語り友禅の道を極めた。色には人柄が出るという。
大久保氏はそのお弟子であり色再現に技が光る。本来修業時代は手描きも友禅も区別なく一通り修行し、やがて友禅師か手描き友禅師かに分かれていく。どの手描き友禅師も同様であるが、花などのデッサンは正に植物図鑑そのものである。これは手描き友禅師共通の修業と言う。さらに友禅の技を活かした大久保氏のライフワークとしての作品がある。
大きな特徴は色の変化と味である。朝、昼、夕方と時間による光の変化、又、四季による光の変化等を捉えていく。必ず同じ絵でその変化を描いた物がある。しかし一枚づつでも販売してしまう為、後で 同じ友禅画のセットがあると分ったお客さんから欲しいと注文してくる事があるが、少ししか作らないので在庫がなく、大久保氏はどんな絵であったのか分らなくて困る事があると言う。又、“お兄ちゃんと妹が遊んだ幼い日の思い出”を木版墨線で摺り、ここに友禅を挿すといったシリーズがある。妹との思い出は、つららを取ってほしいと妹にせがまれて取っている兄、又、冬に枝に一個残っている柿を一緒に棒で取る幼い兄妹、などの情景が実体験の中から素朴なタッチで友禅で描かれている。これは年賀状を作る目的であったシリーズで23枚あるから23年分の冬の景色である。

  昭和31年、竹田耕人師に入門。昭和44年、独立自営する。
  生活の為には、挿友禅のみであるが、年に一点は豊島区伝統工芸展に、修行時代に会得した技を使い作品を出展しています。優しく柔らかい配色で日頃は古典ものが得意です。
 
  着る人本位に考え、本人を引き立てる為の着物を染めています。仕事には持っている技を全力投入致します。引き合いに対しては自己の気持ちは経験からのアドバイスにとどめ、相手の気持ちを核として表現することに勤めています。
   

 

職人名 大久保紀保(おおくぼ のりやす)
雅号又は銘  
生年月日 昭和16年1月2日
職種(種) 友禅師
作品(アイテム) 友禅
技数(積)
次代、素人から始めて手伝えるような状態になるまでの期間
7〜10年以上。四季にこだわる着物があって、春には春の配色、挿友禅の為の防線糊(真糊)など扱い方が異なってくる。しかも、例えば10年修行しているといっても、春は10回しか体験できていない。はじめは、春の仕事を忘れた頃にまた春が来るといった繰り返しです。
技の種類や工程
下のしーエバー下絵ム糊置ム地入ム友禅ムむしー糊伏ム染ムむしー水元ム上のしー金線箔仕上ー刺繍
現在の立場(役) 現役
次代 他  
   


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