職人の住む町
HOME 名工会の主旨 名工会の概要 職人の町一覧 職人技市 日本の技博物館 応援団 検索

和装の職人はどの地域も険しい状況が常態化しております。しかし本場の京都ですら着物を着る人も少なくなってしまい、 非常に難しい局面を迎えております。

親方との会話の中で最も華麗な美意識の高い文化の筆頭に着物があるという内容がありました。 着物が置かれた状況からしても日本の文化的意識は薄れているが、しかしそれを守っていく為には、本物を着る心用意がなければならない。だから“少し前なら「着物の常識」は女性の知性であり美意識だった・・”、とのことです。主知的で理性的な仕事に関わって来たひとりとして“文化の斜陽とあきらめてはいけない”ものと自覚を持ちつつも、しかし着物の情緒が消えてゆくのを見るのは残念と語っておられました。今も着物は女性の憧れです。等しく男性にとっても着物を着るのは気持ちが良いものです。この状況からでも頑張らなければならないとうことが親方の思いです。

親方は人柄も穏やかで作品にもそれが表れています。日本古来の植物繊維の一つである柿渋を使っての持ち味を活かした、地色が得意で、多種多彩な筆使いが作品から感じとれます。気持ちとしては“着物はネットによる販売をすべきではない”とのことです。柄や生地、形など打ち合わせなどお客様の要望が多岐に及ぶ為です。親方が大切にしたいことは着飾ることです。その人のイメージを活かすこと、まず本人が引き立つことが大事なんだと強調していました。仕立てるのには大事な段取りが沢山あるからです。

なお当会での着物のご依頼は親方の考えに準じます。仕立て等は先ず当会にご連絡を頂ければ親方にお話だけはきちんとさせて頂きます。親方は京都の方ですが、東京など、他の地域にも訪れることもあります。


  1970 年 父 橋爪光松に師事、当時は作れば売れる時代でしたから、弟子は雑用も多く、それは身に付けるための勉強と重なって、全くと言っていいほど休みは取れませんでした。四条派の水墨画、そして1975年から日本画 広田多津画伯に尽いて、多種の技法を身につけお客様にあった手描友禅、金描友禅、濡れ友禅などを今は手がけています。
  染色の世界は、どんなテーマで何を作るかによって新たな技術が生まれるもので技術は絶えず進歩します。そう言う仕事こそ作り手の味が出るものです。師匠の筆使いを模写して覚えていくのは難しかった。
 
  柄の構成と地色が私としては大切です。それが特徴と言えばとそうかと思っております。 心掛けていることは着たときの柄が見えること、着姿が美しいこと、着る人を引き立てることなど、当然のことではありますが、最も重要なことと意識しております。
  着物の文化に対する意識が薄れており、それを覚悟して行うのであればと 思いますが、社会状況からも難しいはずです。しかし日本の美学であり、私の気持ちとしては絶対に残していきたいのですが・・・。

 

職人名 橋爪 良和(はしずめ・よしかず)
雅号又は銘
生年月日  
職種(種) 手描京友禅
過去の実績等 厚生省生活産業局長賞 京都府知事賞など多数
作品(アイテム) 着物、帯 他
技数(積) 下絵と彩色加工
弟子入りしてから手伝えるような状態になるまでの期間
4〜5年
現在の立場(役) 現役
次代 他  
   


Copyright (C) 2002 WAZA All Rights Reserved.