昭和天皇の椅子を作った事で有名である。作っている時は2名の立ち会いが常におり、全ての作業に目を光らせ、仕事が終わるまで監視付きであったと言う。仕事が終れば作業場に立ち入る事は許されなかった。
又、当時大スターであった上原謙さんの家では、加山雄三さんがまだ小さな子供で、親方が食事を終えて戻ってみると、金槌がなくなっており、捜していると加山雄三さんが金槌を振り回している。聞いたら親方が釘を口に含んで素早く打つ様を見て金槌から釘が出て来ると思い振っていたという。口に含んでいる事が分ると、今度は釘を口に含むと言う事で危ないので怒った覚えがあると言う。
又、ある大臣の家に言ったら年期の入った素晴しい皮ソフアーがあった。どこがで見た事があるということを大臣に話し、裏を即開けてみた。案の定、親方自身の若い頃に張った皮であった。元の新品にもどしたが何とも言えない気持ちで、職人として本当に嬉しかったと言う。
又、昔の品川界隈、今は全く面影が無いが、家具の町であり、通りの両側に家具製造の店がずらっと並んでいたと言う。親方と話しているといろいろ勉強になる。
現在は、一線を退いているが椅子の重鎮として、技術などの記録を含め椅子職人の技の記録や監修などで活躍している。お弟子さん達は全国におり、優秀な椅子職人を育てている。
昭和4年、芝田村町佐山製作所へ入所。昭和15年頃まで修行。後、平井製作所開業。現在に至る。
職人名
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平井傳三郎(ひらい でんざぶろう)
雅号又は銘
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生年月日
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大正5年
職種(種)
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椅子
作品(アイテム)
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椅子
技数(積)
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次代、素人から始めて手伝えるような状態になるまでの期間
3年間
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技の種類や工程
現在の立場(役)
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指導的立場
次代 他
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