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日本の誇る技文化の筆頭には刀剣が挙げられます。国宝認定の四分の一程を独占する美術工芸品であります。
フォトグラファーの森田氏は刀匠を目指す若者達にカメラを向けました。
撮影は刀剣界の最高峰、吉原義人刀匠と息子の吉原義一刀匠(無鑑査)の鍛錬所。義人刀匠は刀鍛冶として世界的に知られ、息子の義一氏は他の追随を許さない天才的な刃文の美剣を打つ。今の吉原家の礎は義人刀匠と弟の現刀匠会の会長、國家刀匠の二人で築きあげました。今は6名ほどのお弟子が研鑽し森田氏のカメラは、薄暗い作業場の中で彼らの真剣な表情を捉える。声をかけず、レンズも変えずフラッシュも使わず、黙々と撮影が進む。鎚の響きにシャッター音はかき消された。
『誰も辞める気配はないね。一生懸命やっていますよ』と義人刀匠は弟子について語った。『自分に出来ない筈はない』と若者達は日々、自身に問いかける。森田氏の写真に、次ページをめくる若者達の気迫が穏やかに漂う。新たに膨らむ芽と力はやがて素晴らしい刀匠に育っていくと写真は語りかけてくる。
森田純典(もりた・じゅんてん)…フォトグラファー … 森田さんのページはこちら
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