まず用途を考え、使いやすさを型に。
キッチンバサミやクラフトバサミの使用感は高い評価を受ける。
かつて“暮らしの手帳”で海外の有名メーカーも交えてハサミの切断力の特集が組まれ、その中で断突の成績を納めた世界一のハサミ、それが増太郎鋏である。
現在はさらに性能も上がり、" 料理鋏の増太郎 "となった感がある。材料として鋼ステンレスも先駆け、新たに衝撃に強く刃持ちが良いダイス鋼を使った鋏を製作された。これは新素材アラミド繊維(硝子系)も難無く切れ、他の裁ちばさみではすぐ切れなくなってしまうだろう。
増太郎鋏は非常に切れるが、特に切るときの抵抗感はとても小さい。テーラー職人の中には逆に刃先に伝わる“さくっ”とした感触が良い、そんな人もいるので刃物とは難しい。
研ぎ師に刃物の見方を尋ねると、ねばりと切れ味、そして研ぎやすさなど相反する特性をどこで引き出すのかが鍛冶屋さんの技ということになるらしい。 何紙(鋼の種類)の鋼材を使ったから切れるのではなく、切断するものと相性のいい鋼をもって、どのように力を加えるか(技)にかかっていると言う。
増太郎の技とキッチンバサミは最高の組み合わせであることは切断力が実証している。
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