藁職人を軽んじるなかれ、人類が始めて智恵を使って成し得た技が縄を編むことであった。しかも全人類の共通した技法であった。さらにその技法は今尚変わる事なく縄は縄として使われている。人類最初の職人の基本技である。ここから布など編むという技法や結束する技法など様々な広がりをもって発展して来た。これが無ければ他の技も生まれなかった。旅は草鞋をはいて行った。荷物は風呂敷などで包んで紐で縛った。全て縄を編む技から始まった。
又、縄は冠婚葬祭儀礼など式典にも使われて来た。昨今、職人が作る作品は縁起物が多くなったが原点に戻ったのかも知れない。藁の職人と言う事になると柳田氏を加えて数人、東京では唯ひとりである。最近は各地から藁細工の編み方について柳田氏の指導を仰ぐ人が結構いる。大切な藁文化を伝えていく為には努力を惜しまない職人である。各種蓑などもたまにやってみると以外に腕が覚えていると言う。職人は体で覚えているので頭の中で思い出さなくても作り始めると手がひとりでに動いていくそうである。最近は目が悪いので決まった物しか作らないが、親方の息子さんも始めたので一安心と言ったところである。
開店祝いに、鶴と亀、宝船、居酒屋のインテリアに蓑や草鞋など、結構注文があるという。色々なお祝にちょっと珍しい藁の作品はどんなものだろうか。この前は日本各地にお店を持っている人から、藁の鍋敷を多量に発注され追加も可能なようにしてほしいとのことであった。藁の鍋敷にお客さんは旅情や郷愁を感じ、しばしこの話題に花が咲くと言う。 送料を改定しました。お買い上げの合計額が一万円以上で送料無料になります。(2010,7)
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