全長100m、幅20m、重量630kg巨大な鯉のぼりが、まさか大空に舞うとは誰も予想しなかった。
安藤広重の江戸百景に描かれている鯉は、江戸水道橋駿河台を見下ろしながら、今正に天に昇らんとしているような姿でその構図に魅せられた。また、竜門の滝を昇った鯉はやがて竜となって天に昇るという中国の伝説“登竜門”の言葉のように巨大な鯉を大空に泳がせたいと長間考え続けその夢に挑戦した。
天に昇る出世魚の伝説、武州鯉幟の歴史と伝統、明治より続き初代の“弥喜智の鯉”は天皇の初節句に献上されたという誇り、それゆえ竜門伝説をここで再現したかった。鯉は重低音を響かせその音は正に竜の鳴き声に聞こえたに違いなかった。協力した人、延べ2000名のボランティア、構想に3年以上を費やし力を結集した。武州鯉のぼり師、橋本兄弟の夢であった。
弟勝氏も従来の鯉のぼりから今の加須の弥喜智の鯉のぼりを大空に泳がせていく夢を実現してきた立て役者のひとりである。
■ 歴史
江戸時代中期より。 |