刀に向かう精神性を重視する刀匠である。師であった故 宮入行平刀匠(国宝)の精神を思い、自己を振り返る。慎平刀匠は鎌倉時代の古刀に近付く事だけを見つめ、ひたすら歩く。鎌倉時代の刀匠達と同じ状況の中に自分を置いて、その中で自分なりの刀を造ってみる事を考える。辿って納得をしたいのである。初出品から努力賞、優秀賞等を獲得している。この道の選択が間違いで無かった事を数々の賞が物語っている。300名ぐらいいる全国の刀匠の中で、展覧会に出品出来るような刀を作れる刀匠は100人前後、その内の10人前後に常に加わる事は大変な努力を要する。遠回りと分かっていることでも挑戦している刀匠は多い。極めることが刀匠の使命であればそれも仕方がないことなのであろう。姿勢を重視し、常に賞に入り込んでくる事は、大きく開花する可能性を秘めていることでもある。
修業は、宮入行平刀匠に師事しましたが、実は2年と数カ月だけでした。師が急に亡くなりました。ここで得たものは、技術はもちろんですが、師の心構えであり、言葉の教えは何もありませんでしたが、妥協しない姿勢に接し、体で教えて頂いたと思っています。
修業中の時でしたが、師匠が失敗した作を見て、私達も師匠と同じように感じていました。そこへ同じ系譜の流れを持つ刀匠が来て、この刀を見て誉めていきました。弟子時代ですから、自分達の方が見る目があると喜んだことがありました。そんな事がやる気と繋がっていたようです。鎌倉時代の品格を目指しています。
師を見て、刀匠としての精神と心構えを己に映すこと。
職人名
:
加藤正也(かとう まさや)
雅号又は銘
:
慎平(しんぺい)
生年月日
:
昭和32年1月28日
職種(種)
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刀鍛冶
作品(アイテム)
:
刀
技数(積)
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次代、素人から始めて手伝えるような状態になるまでの期間
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技の種類や工程
今は古刀の精神に少しでも近付く事を考えています。従って、鎌倉時代の刀匠がその地元の材料を使っていたように、私も鬼怒川鉄を使っています。自分なりに思う事はやってみたいと考えています。
現在の立場(役)
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生涯現役
次代 他
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