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学生時代に組み紐をやったことはありました。以後帯締め屋さんで働いていましたからそれほど遠い物ではなかった訳です。組み紐の名工であった篠崎順の息子順一に嫁ぎました。主人を無くしてお父さんに飾り結びの職人として弟子入りし跡継ぎとなりました。嫁いでからお手伝いは毎日していましたが組み紐をやるとは思ってもいませんでした。今は面白くて、新しい結び方を考えるのが好きです。常に基本から入りますがこうした結びは何度結んでも飽きが来ません。先人の技を伝えることの大切さ確かさを痛感します。
修業は父から預けられた結びを見ながらほどいて真似をしていく作業を何度も繰り返します。ときには何だか解らなくなって聞く事もありましたが、頭で覚えた事は身に付かないし研究もしないということで何度も何度もやらせられました。父は何も言いませんでした。父は手を動かしている内に次第に出来上がり、まるで手品のようでした。 |
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父 順の考えた飾り結びが大半ですが、考える事は非常に楽しい事です。同時に飾り結びの使われる目的もあり、格調の高さが要求されるものや、自分しか結べない方法で、誰かがいじればすぐに分る手法で身を守った茶道具などの結び、楽しさいっぱいの結びなど様々な飾りがあります。伝統の飾り結びから現代に通じる結びまで各種の結びを行なえることが大切です。江戸の結びを伝承している点では唯一の飾り結び屋と思っています。 |
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この仕事は根気が8割と思って頂いて結構な仕事です。作っている時も、新しい飾り結びを考えている時も全てが根気です。しかし楽しくて時間を忘れる時もあります。多分、どの職人さんも同じと思っています。修業時は特に根気に尽きます。 |
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