職人の住む町
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篠崎氏の師匠である篠崎順氏が脳梗塞で倒れたのは80歳の時、顔付きが歪んでしまう程であったという。闘病生活をしている時に順一氏の奥さんが紐を渡したところ結び始め、それから半年で回復したという話をお聞きした。体で覚えて身に付けた職人技に対する気力が回復力を呼び起こした。職人ならではのプロの気迫が、偉大なる先輩を通してひしひしと伝わってくる。92歳で病院に入るまで仕事をしていたようである。日本全国にこうした筋金入りの職人がおり、人間味溢れる本物の職人であるが、その多くは高齢であり、体で勝負して来た大先輩である。この先輩達が消えていくことは残念でならない。江戸の飾り結びの世界も、今は篠原八千代氏が唯一の親方である。当代の親方は女性の繊細さをもってアクセサリーなどにも力を入れ伝統を活かし豪華なものを作っている。直接の販売はしていないが日本職人名工会には可能である。結婚式などのお土産や飾りもの、開店のお祝など粋で気のきいた贈り物になるはずです。写真の価格は決まっていませんので日本職人名工会にお問い合わせ下さい。

  学生時代に組み紐をやったことはありました。以後帯締め屋さんで働いていましたからそれほど遠い物ではなかった訳です。組み紐の名工であった篠崎順の息子順一に嫁ぎました。主人を無くしてお父さんに飾り結びの職人として弟子入りし跡継ぎとなりました。嫁いでからお手伝いは毎日していましたが組み紐をやるとは思ってもいませんでした。今は面白くて、新しい結び方を考えるのが好きです。常に基本から入りますがこうした結びは何度結んでも飽きが来ません。先人の技を伝えることの大切さ確かさを痛感します。
修業は父から預けられた結びを見ながらほどいて真似をしていく作業を何度も繰り返します。ときには何だか解らなくなって聞く事もありましたが、頭で覚えた事は身に付かないし研究もしないということで何度も何度もやらせられました。父は何も言いませんでした。父は手を動かしている内に次第に出来上がり、まるで手品のようでした。
  父 順の考えた飾り結びが大半ですが、考える事は非常に楽しい事です。同時に飾り結びの使われる目的もあり、格調の高さが要求されるものや、自分しか結べない方法で、誰かがいじればすぐに分る手法で身を守った茶道具などの結び、楽しさいっぱいの結びなど様々な飾りがあります。伝統の飾り結びから現代に通じる結びまで各種の結びを行なえることが大切です。江戸の結びを伝承している点では唯一の飾り結び屋と思っています。
 
  この仕事は根気が8割と思って頂いて結構な仕事です。作っている時も、新しい飾り結びを考えている時も全てが根気です。しかし楽しくて時間を忘れる時もあります。多分、どの職人さんも同じと思っています。修業時は特に根気に尽きます。
   

 

職人名 篠崎八千代(しのざき やちよ)
雅号又は銘  
生年月日  
職種(種) 江戸飾り結び
作品(アイテム) 組み紐、ブローチ、ネックレス 他
技数(積)
次代、素人から始めて手伝えるような状態になるまでの期間
始めはひとつひとつ覚えて且つ忘れない為に練習するといったことで、体で覚える事が出来ました。昔は需要があり沢山作ったことから経験も豊富でした。今は弟子に手伝わせるといったこと自体が数量的にもなくなり、お稽古的に教えると言った程度でしか出来なくなりました。従って体で覚えるには根気を持って練習する自分の努力以外にありません。
何年で職人の仕事が出来るかと言うことであればそれは本人次第ということです。
技の種類や工程
結びの種類。総角結び、桔梗結び、菊結び、道行結び、けんま結び、亀結び、トンボ結び等。
現在の立場(役) 生涯現役
次代 他  
   


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