木製の硯がある事を御存じであろうか。唐木細工の職人が作った漆硯(しっけん)という。
実は江戸後期、漆の世界では名工として轟く高松藩お抱えの玉楮象谷(たまかじぞうごく)が硯を作っていた。従って、もっと古くからあるのかも知れない。今は漆にセラミックの粉を蒔いて固めていく。
すり味は中国の端渓石で作った古端渓に匹敵すると言う。材質は唐木の紫檀を使う。唐木細工が専門、唐木は錫と同じ硬度があり、ほぞを入れるのが難しいが細工師はきっちりと仕上げる。こうした技を背景にして曲面など実に巧みに作る。木だから当然軽い訳で、昔の人達は持ち運ぶに最適との考えで作ったものと思える。当時と違って、セラミックなどを使っている事など、使い勝手の点で木原氏の硯の方が優れているのではないかと推測する。
風流な人達に是非薦めたい道具であり、中国では硯は文士の魂とまで言われている。加えて氏は遊び心が強い人で、これでもかと唐木の技を使って小さな物などを作っている。
見る側にとっては目が離せない親方である。
昭和46年、家業として父に従事する。
唐木の特徴を生かした製品作り。優美な曲面を生かす、伝統を今に伝える。
製品のコストと質との兼ね合い。
職人名
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木原由貴良(きはら ゆきよし)
雅号又は銘
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生年月日
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昭和28年4月24日
職種(種)
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唐木細工
作品(アイテム)
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唐木細工 他
技数(積)
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弟子入りしてから手伝えるような状態になるまでの期間
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技の種類や工程
日本の和木の工程に、ヤスリがけ、耐水ペーパー、研磨、拭き、漆仕上げ
現在の立場(役)
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現役
次代 他
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