職人の住む町
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手打ちのおろし金は鋭い刃が付いている為、植物の繊維を軽く切り、押し付ける事なくおろせる。潰れる事が無い為うまみが全く違う。刃先が機械打ちの場合、刃形が揃い過ぎて均一になり、刃筋が出来てすぐおろしにくくなる。それを力まかせにすると水分がでて結果カスを食べてるようになる。手打ちの刃先は目がずらして付けてある為、何回往復させても筋が出きず楽におろせる。したがって水分と旨味をたっぷり含んだおろしが出来る。刃先は荒い順に、鬼おろし、大根おろし、山芋おろし、生姜おろし、わさびおろしの順となる。テーブルで使うわさびおろしなどは片面であるが裏表で異なる刃先が打ってある。料亭などのプロのみならず味にこだわる男の人も結構多い。大矢さんの作品は叩いている為、実に素朴で江戸の香りそのまま、実に味がある。

  昔の浅草桂町にいた。3月の空襲でほとんど身内の職人が亡くなった。父は他にいた為助かった。子供の頃から手伝ったりしていたこともあり、始める段階で2ヶ月ぐらいで何とか出来るようになった。したがって修業と言った厳しいことはあまり経験がない。父からの信頼もあり後を継ぐのにさほど時間を必要とはしなかった。
  刃物として作っている。したがって切れる事は当然です。銅板を更に緻密にし硬くする為常温のまま板を叩いて鍛えます。私の道具はほとんどプロ用ですが、最近はこれでおろすと美味しいなど良さが分って頂いて一般の方々も求められます。
 
  私達は職人ですから“同じ品質のものを素早く作る”ということです。
  一生懸命やるのはいいが、人生をこれにかけろとは言えません。若い内は色々と挑戦していくものでしょうから・・・。弟子になりたいという人が増えてきていますが板前さん達から個々に支持され、○○さんのおろし金でなければと云われるようになれば一生の仕事となります。

 

職人名 大矢昭夫(おおや・あきお)
職人区分  
雅号又は銘  
生年月日 昭和9年6月17日
職種(種) おろし金
作品(アイテム) おろし金 江戸時代から形も作り方も変わっていない。
技数(積)
弟子入りしてから手伝えるような状態になるまでの期間
5年 技の難しさより原料の銅板が手に入りにくい。ほとんどが電気などの部品に使われるようなねばりのある柔らかな銅板で、脱酸銅板のようなものは取り寄せとなる。
技の種類や工程
板切りーたたきー成形ー錫付けー刃立て
現在の立場(役) 現役
次代 他  
   


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