初めてまじかに見た東光作の市松人形の印象は、伝統的な形を継承した人形と言うものは、かくも存在感があるものかと感心した。飾る場所でもこれだけの存在感があれば和風の家のみならず洋室にも十分マッチすると思える。市松人形は抱き人形とも言い、着物を作って夏冬変えて着せ変え楽しむなど子供の教育の一貫であった。従って好みの着物柄と顔を選んで買っていく。他の人形とは異なり風格があり、圧倒的な存在感から皇室が買い上げたり、博物館に収蔵されたりするのが分るような気がした。その東光師が修業を始めた頃は才能が無いのではと何度も諦めようと思ったと言う。元々はやる気がなかったというから分らないものである。
先代は兄であったが二人とも父に師事した。何人かのお弟子さんに混じって修業したと言う。壊れた古い市松人形を修理する時、父の作ったものが遥か海外から来たときなどうれしいものと語る。
学生時代は興味がなかったが、物作りに目覚めた。初代東光の答礼人形を見た時、感動を覚えた。
市松人形の深さを改めて覚え自覚し、仕事の楽しみを覚える。
伝統的な素材(桐塑)にこだわり、手作りで行っている。地塗、上塗りを納得が行くまで塗り込んでいく。顔が一体一体違うので持った人の心に訴える様に製作している。目・鼻・口などの愛らしさを考える。
心身共に健康であること。(体調が技に反映する)和の心、一期一会の気持ち。
伝統を守りながら、柔軟性を失わないこと。
職人名
:
岩村賢二(いわむら・けんじ)
雅号又は銘
:
松乾斎 東光(しょうけんさい とうこう)
生年月日
:
昭和18年8月7日
職種(種)
:
市松人形
作品(アイテム)
:
市松人形
技数(積)
:
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弟子入りしてから手伝えるような状態になるまでの期間
約15〜20年程度
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技の種類や工程
原形の製作ーデザイン成型ー地塗ー上塗ー面相ー髪付ー刈込ー衣裳の着付
現在の立場(役)
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生涯現役
次代 他
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