京都で唯一の手作り念珠は、
心を伝えていく気持ちの現れであった。
祖父の代からの手作り念珠を作り始めたと言う。それ以前は手作りボタンを作る職人であったが、その技術が認められこの世界に入ったのである。当時そのままに今でも製作は足踏み式のロクロで行っている。これは京都でただ一軒。勿論、同業者の機械で作る方法に、とやかく言うつもりはないのである。『私の数珠を分って使って頂ける人に心を伝えたいので、その思いを形にする方法がこの製法であります。』親方の話だ。
京都の町で手作りロクロとなると、何故か雰囲気もあるしこれしかないような気もする。最近は若い人の要望に応え、お守り用のブレスレッドタイプも手がける。勿論、手抜きはなく、本物の念珠の形式を踏んでいるのは言うまでもない。紹介している念珠は、どの宗派でも、そしてお訪ねする相手先の宗派でも関係なく使える『八宗念珠』である。 |