職人の住む町
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鹿島錦
その昔、佐賀県鍋島藩の女性やお嬢様達のたしなみのように行われていたものである。以後他県の焼き物などに対抗するものとして領地で流行らせた。徳川への献上品でもあった。
縦糸はコウゾの紙に金箔を貼り、1mm〜2mmに細く裂いてある。横は絹などの糸を使う。様々な模様を織り上げていく。もちろん縦紙は金箔を貼った物ばかりではない。紙を使うというと現代の感覚では吃驚する人もいるが、現代の紙を意識するからで、楮(こうぞ)の繊維は4cmぐらいあり、その繊維が絡んで紙が作られている。通常の紙と比べ丈夫さにおいて全く異なるものと言っても過言ではない。本サイトに展示している作品の模様は全て織りながら出していく。
高貴な人達のたしなみから始まったものだけに優雅さや格調、そして品格は鹿島錦の大きな特徴である。又、光の当たる方向による見え方の効果なども他にない佐賀錦の特徴である。元々鍋島藩から始まっており、鹿島錦と言うのが本来で、地元では佐賀錦もなく全て鹿島錦と言う。
後から佐賀錦として登録宣伝した関係から佐賀錦が有名になってしまった。実際佐賀にはほとんど作家はいない。わずかに鹿島に残るだけである。又、現代の有名な作家は東京におり、芸術系の人ばかりである。大谷氏は伝統を守り、伝承された技を生かした作品を創る。作家ばかりの作品になってしまったら技は伝承されない。あらゆる技を駆使して、唯一の誇り高い職人として頑張っている。しかし、1cm織るのに2〜3時間かかる時もあり作品を作るのに時間がかかりすぎて大変だとも言う。姿勢は実に自然体であり、話して好印象を持つ。現在は習い事のような形で教えてもいる。日本の手芸の極致、鹿島錦、素晴らしい文化を守るひとりである。

  母の影響を受けて始めました。その後はお手伝いをするような形で作家の先生について、自己の研究と、ヒントを頂きながら学んでいきました。
大切なこと、当たり前のことですが、きちんと織るということをここで学んだ気がします。
  伝統をきちんと伝承していくことが大切です。鹿島錦らしさは伝統の味と品格が大切です。こうした原点を踏まえて身近に使うものに進化させていきます。私は意識したことはないのですが、特徴としてはグリーンを多用していることやぼかしに特徴があると言われてはいます。
 
  今日より明日の挑戦という言葉で、私の解釈は今日も一生懸命やって明日もさらに、ということで前に進んでいく気持ちを表しています。好きな言葉です。
  元々が手芸の世界から発展してきたものですから、お稽古的をしても遊び半分では忘れてしまうこともあり、その点をしっかりとした気持ちで学んでほしいと思います。気持ちをしめて掛からなければ厭きてしまい長続きしません。

 

職人名 大谷久美子(おうたに くみこ)
雅号又は銘  
生年月日  
職種(種) 佐賀錦
作品(アイテム)  
技数(積)
次代、素人から始めて手伝えるような状態になるまでの期間
個人差が激しい。簡単な物であれば2〜3年で可能。多面的に考えれば10年から一生考え続ける形になります。まず時間が掛かるので体力が必要です。美しさや出来映えを競い合った雅の世界ですから創造的にも奥が深いものです。光のあたり方で表情が変わることも特徴ですが、逆に言えば織る時見えにくいと言うことでもあります。全てが手元で行う細かな作業ですから目の問題も、糸によっては大変な作業となります。
縦糸が紙ですから梅雨時は湿気が多くなり、織りにくくなります。手芸品ですから仕事として成立させるのは非常に難しいということも上げられます。
技の種類や工程
織り方の基本は3種類ある。平織り(通常の織物技法)、紋様織り(平織りに多種の色糸を織り込んで文様を出す)、綾織り(お組物とも言い、目数を拾って幾何学模様を組み出す)、昔は、縦横紙を使った物や縦糸に紙と横糸が木綿なども織られていたが改良され紙と絹糸が主流となった。
現在の立場(役) 生涯現役
次代 他  
   


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