江戸時代には友禅画の扇子が流行った時期があります。現在でも有名な友禅師が着物や扇子の絵柄で競い、扇子の隆盛を支えました。かの井原西鶴は、その人気に驚き「友禅斎の扇子を持たなければお洒落とは言えない」という言葉さえ残しています。友禅には複数のスタイルがあり、これを踏襲し思うがままに描ける伝統的な絵師は少なくなってきています。
江戸扇子の仕立ては松井宏親方にお願いしました。 当会に在籍されております別の親方を指定いただく事も可能です。ご希望の絵で別途オーダーも承ります。
通常、扇面には“鳥の子”という紙が使用されますが、当会の共作江戸扇子は、高品質の奥備中“神代和紙”を使用しております。その風合は手描きの絵を一層引き立て、大変丈夫で長くご愛用いただけます。
江戸時代を代表する優れた扇面絵師と言えば、京都国立博物館に収蔵されている国宝「風神雷神図」の作者である京都の俵屋宗達(たわらや・そうたつ)であり、俵屋は扇絵も制作していたようです。この俵屋に傾倒したのが、後世「琳派」と呼ばれる装飾的な大絵図を得意とする尾形光琳です。扇面や団扇などの小品も手掛けており、その世界でも並々ならぬ才能を発揮していました。この2人が扇絵を確立したと言われています。
そして友禅と言う言葉は、人気絵師であった宮崎友禅斎(みやざき・ゆうぜんさい)から付けられたものです。この人が凄いのは、染料で染める時の防染技術を確立させたことです。糊による糸目という技で、絵を描く要領で染め上げることに成功しました。この友禅斎の仕事は前例のない色鮮やかな色調でした。初期に絵付を試みた友禅は墨絵のような色数のない画風でしたが、動植物や器物、風景など、絵付の題材を選ばない作風を表すようになります。これが「友禅模様」と称されるようになり、鮮やかで精細な染色法が確立します。職人達はその頃のスタイルと技法を友禅のパターンとして現代に伝えました。もちろん職人によっては古式にこだわらず、型にはまらない友禅も作っています。
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